Q&A

アイシングクッキーを販売するには?|必要な「許可と資格」について

この記事では、アイシングクッキーを製造販売したいとお考えの方に、

①アイシングクッキーの販売に必要な資格:食品衛生責任者証

②アイシングクッキーの販売に必要な資格:菓子製造業許可


について詳しく解説してきます。
吹き出し

アイシングクッキーの製造販売に必要な要件2つ

アイシングクッキーの製造販売には、①食品衛生責任者証と②菓子製造業の営業許可証のふたつが必要です。
このふたつは、アイシングクッキーを製造販売をする上でどちらも必要となる許可ですが、

それぞれ責任の所在が違ってきます。

<許可と資格の名称> <責任の所在> <どんなことを証明してくれるものか>
食品衛生責任者証 「人」 に対する許可 安全安心な衛生的な知識を持っていますよという証明をしてくれるもの
菓子製造業許可証(営業許可) 「製造施設」 に対する許可 安全安心な衛生的な製造環境ですよ
と証明をしてくれるもの

アイシングクッキーの販売に必要な資格:食品衛生責任者証(「人」に対する許可)

食品衛生責任者証は、食品関係の営業を行うときに、営業施設ごとに必ず1名置くことが義務づけられている資格です。

簡単に説明すると、
食品の安全性を確保するために、施設に1名は食品衛生に関する知識を持つ責任者を置いてください。というものです。

ただし、あなたでなくとも家族などが資格をお持ちで、その方を責任者として申請するのであればそれでもOKです。
(製造施設に1名は必ず置くことが条件ですので、どなたかと一緒に活動をするのであれば、旦那さんや奥さん、親子さんなどでも可能ということです。)

食品衛生責任者になるためには?

指定された1日講習の衛生講習会を受講することによりなることができます。

食品衛生責任者証:資格の取得方法

製造施設の管轄の保健所で行っている食品衛生責任者養成講習会を受講することにより取得できます。

取得に必要な日数:1日
講習課目:衛生法規、公衆衛生学、食品衛生学
受講料:6,170円(宮城県仙台市食品衛生協会の場合)
保健所により異なりますので、詳細は製造する市区町村の食品衛生協会へご確認ください。

 

また、下記資格を持っている方は、「食品衛生責任者証」の資格を免除することができます。

栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、ふぐ処理師などの資格

これらの免許は持っていないけど、アイシングクッキーの製造販売を始めたいとお考えの場合には、
まずあなたがこの食品衛生責任者証を取得することをお勧めします!

製造販売をする上でとっても役に立つ大切な知識を習得できると思います!

食品衛生責任者証の講習ではどのようなことを習えるの?

講習の内容は以下の3科目を習いました。

  1. 衛生法規:食品衛生法の基礎、食品衛生責任者の責務など(2時間)
  2. 公衆衛生学:衛生管理や作業環境管理など(1時間)
  3. 食品衛生学:食中毒の対策、食品表示、設備管理など(3時間)

こう見ると、1科目ずつの時間が少し長く感じる気がしますが、
内容がとっても濃いので、あっという間に時間は過ぎてしまいます!

製造販売の知識や経験が全くなかった私は、あれも知りたい!これも知りたい!

うんうん!なるほどー!と興味深々で受講していたことを思い出します。

特に、3科目の「食品衛生学」はとても勉強になりました!

デザインや味に自信があっても、やっぱり食べ物を販売するということは、
とっても慎重にならなくてはいけないことだという認識があったので、食中毒の対策や食品表示の記載方法などを教えて頂けたことは製造から販売までする上でとても参考になりました。

『アイシングクッキーを販売する時に袋に貼る食品表示の記載内容と作り方<実例>』はこちらの記事で紹介しています。

 

アイシングクッキーの販売に必要な許可:菓子製造業許可証「製造施設」 に対する許可

食品に関する営業許可証は、定められた「保健所基準」を満たした調理・製造施設に付与される許可証です。

私の場合は、菓子製造業の営業許可は申請から11日で取得しました。
その時のことは、別にページで紹介したいと思いますが、

一般的に菓子製造業の営業許可は、営業開始日の2週間前までに、
施設の所在地を管轄する保健所に必要書類を提出し、
その申請の際に、申請手数料の支払い施設の確認検査の日程を決め
施設確認の検査がスムーズに通ったら、1週間ほどで営業許可証を頂ける流れになっています。

菓子製造業許可とは?

菓子製造業許可は、
お菓子を製造・販売する時に必要となる許可のことです。

アイシングクッキーに限らず、ケーキや焼き菓子、パン、餅菓子や飴菓子、干菓子などの通常菓子に当たる食品を製造する営業を始めるときに必要な許可です。

その許可を頂くためには「家庭のキッチンとは別のキッチンスペースが必要」となります。

衛生面を守る為、生活空間と完全に仕切られた場所での製造でなくてはならないという考えの元の様です。

私は、賃貸暮らしでリフォームが不可だった為、近くに小さな事業用物件を借りて、工房(キッチンスペース)にすることで菓子製造業の営業許可を取得しました。

菓子製造許可に必要な条件

菓子製造業の営業許可の許認可等の条件

  • 施設ごとに専任の食品衛生責任者を設置すること
  • 設備条件を満たすこと
  • 水質検査成績書の提出
施設ごとに専任の食品衛生責任者を設置

食品衛生責任者についてはすでに説明しましたが、

(食品の製造販売に必要な、特に衛生管理について知識を持った人ということでしたよね。)

その知識は自分で勉強しなければならないのではなく、とても丁寧で詳しい専門の講習が開かれていて、
1日講習を受けることによって与えられる資格です。

 

設備の条件を満たすこと|保健所による施設の確認検査を満たす条件ポイント

設備基準については簡単に説明すると下記の条件を満たすことが必要となります。

キッチン全体 生活の中で使用しているキッチンとは別のキッチン(空間)
空間内の扉 扉はすべて自閉式(引き戸やバネがついていない引き戸は自閉式に変えられるバンドが売られていますので、そちらを使い自閉式にしてください)
シンク 二層式のシンク
コンクリートまたは、水はけが良い状態。絨毯はNG
材料庫 扉付きの収納庫に材料を完全にしまい込む
製造する為の作業台 ステンレスまたは、つるつるしている衛生的に良い状態を保てる素材で出来た作業台
ラッピングする為の作業台 ラッピング作業をする場合は、食品を製造する際に使用する作業台とは別に作業台を用意
冷蔵庫 冷蔵庫には、温度計を設置(保健所で購入可能です)

※上記内容は、私が平成26年に菓子製造業許可を取得した際の設備基準です。
詳しい情報は、施設の所在地の管轄の保健所へお尋ねください。

水質検査成績書の提出

貯水槽や井戸水を利用する場合には、「水質検査成績書」を提出します。
アパートやマンション、ビルのフロアを借りて営業する場合に必要になることが多いです。

私の場合は、管理会社さんにお願いして用意して頂きました。

営業許可無しで販売するとどうなる?

営業許可を取得せずに販売した場合「食品衛生法違反」となります。
販売する商品や、販売機会の多い少ないに関わらず、許可が必要になります。