Q&A

実際に受講してみてわかった「食品衛生責任者」の詳しい講習内容

この記事では、
食品の製造販売に必要な「食品衛生責任者証」を取得するために受ける講習会の内容
について、詳しく解説してきます。

これまでに2つのお話をしてきました。

  1. アイシングクッキーを販売するには?|必要な「許可と資格」について
  2. 「食品衛生責任者」の取得方法と費用について
  3. 実際に受講してみてわかった「食品衛生責任者」の詳しい講習内容今回はココ

食品の製造販売に必要な資格:食品衛生責任者証

食品衛生責任者証は、食品関係の営業を行うときに、営業施設ごとに必ず1名置くことが義務づけられている資格で、

簡単に説明すると、
食品の安全性を確保するために、施設に1名は食品衛生に関する知識を持つ責任者を置いてください。というもの。

その資格は、あなたでなくとも家族などが資格をお持ちで、その方を責任者として申請するのであればそれでもOK
(製造施設に1名は必ず置くことが条件ですので、どなたかと一緒に活動をするのであれば、旦那さんや奥さん、親子さんなどでも可能ということです。)

というものでしたね。

 

そして、

食品衛生責任者になるためには?

あなたが製造場所として選ぶ場所の管轄の保健所で行っている1日講習の衛生講習会を受講することが必要でしたね。
(※食品衛生管理者調理師栄養士製菓衛生師等の資格をお持ちの方は養成講習会の受講は免除となります。)

ここまでが前回までのおさらいです。

 

 

では、今回はさらに食品衛生責任者養成講習会でどんなことを習えるの?
私の実体験を元にお伝えしていきたいと思います!

内容を習得して自信を持って食品の製造販売に携われるようになりましょう。

食品衛生責任者養成講習会ではどのようなことを習えるの?|講習内容について

6時間の1日講習で以下の3科目の内容を習います。

  • 公衆衛生学 (1時間)
  • 衛生法規  (2時間)
  • 食品衛生学 (3時間)

合計 6時間

1日講習では足りないくらいもっと詳しく知りたいと思う内容だったので、ちゃんと自分の中に落とし込めるように、それぞれについて詳しくまとめてみました。

公衆衛生学のカリキュラム

主に、感染症環境衛生労働衛生など

公衆衛生学とは?

私たちが、身体的にも精神的にも健康な状態で生活を送るためには、個人の健康管理のほかに、
生活の場である社会が健全であることが大切です。

伝染病や公害等を起こさないために、衛生的な環境の設備や衛生知識の普及等の公衆衛生の大切さが認識されます。

このような公衆衛生は、個人の努力だけでは達成は難しいので、国や地方公共団体、民間団体、地域住民など社会全体が協力して、そこに暮らす人たちの健康と衛生を守りましょう。というものです。

感染症とは?

感染症は、ウイルス、細菌、原虫等が病原体となり、

  • 感染減
  • 感染経路
  • 感受性のある対象(人や動物等)

この3条件が存在することによって発生します。

感染源とは?

感染源とは、ウイルス細菌等の病原体を保有しているものの総称です。
例としては、それらの病原体に感染した人や動物とその排せつ物汚染された水や土壌などがあります。

 

感染経路とは?

それぞれの感染症には、その病原体特有の広まっていく道すじがあります。
この道すじを、感染経路と呼んでいます。
例としては、飲食物血液生物空気などが知られています。

 

感受性のある対象(人や動物など)とは?

その病原体に対して、感受性を持っている人や動物などがいることによって、感染症は広がってしまいます。

 

感染病の予防方法は?
①病原性の除去 ・消毒

・殺菌などの処置

②感染経路の ・病原体を媒介する動物の駆除

・人の場合は隔離など

③抵抗力の強化 ・予防接種による免疫

・バランスの取れた食生活や適度な運動、十分な睡眠や休息により、日ごろから病気への抵抗力をつけること

④衛生的な環境 ・不衛生な環境には衛生害虫が繁殖するので、食品の残物などは放置せず処分すること

・身体は常に清潔に保ち、病原体を寄せ付けないようにすること

感染症の他にも生活習慣病にも気を付けましょう。

生活習慣病とは、糖尿病、肥満、脂質異常症、がん、歯周疾患などがあげられ、
食習慣運動習慣休養喫煙飲酒など、これまでの生活の積み重ねと、その人の持っている遺伝的素因、さらに環境の要因が重なって発症します。

これらは、普段の生活習慣を見直し、改善することにとって予防することができるものです。

生活習慣病について詳しいお話は『生活習慣病と予防方法』こちらでお話しています。

環境衛生とは?

疾病の予防や健康の保持増進のためには、自然環境に配慮する必要性が年々増大しています。

自然環境とは、飲料水、排出・廃棄物等・公害の防止などがあげられます。

日本では、生活衛生や自然環境の保全を目的として以下の法律が整備されています。

  • 食品衛生法
  • 水道法
  • 下水道法
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
  • 狂犬病予防法
  • 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
  • 建築物における衛生的環境の確保に関する法律
  • と畜場法
  • 墓地、埋葬等に関する法律
  • 環境基本法
  • 大気汚染防止法
  • 水質汚濁防止法
  • 騒音規制法
  • 悪臭防止法
  • 振動規制法
  • その他

便利になる一方で環境問題も大きくなっているようなので、個人でも出来ることは進んで取り組んでいきたいですよね。

労働衛生とは?

私たちが健康で安全に働くためには、職場環境が良好であることが大切です。
職場の安全性や衛生状態の善し悪しは、作業の効率・労働意欲・疲労度に影響します。

職場の作業環境

働く人が心身両面にわたり健康で、その能力を十分に発揮できる職場環境を形成するためには、
職場の建物の衛生的な管理が必要になります。

具体的には、

  • 空気感用の管理
  • 給排水設備の管理
  • 作業面積・気積(容積)
  • 採光、照明

 

その他にも、健康で安全に働く職場作りには、

【労働条件や職場環境改善への努力】【安全衛生教育】なども大切で、それぞれ具体的には、

 

【労働条件や職場環境改善への努力】

労働時間、休息・休憩の配分、仕事量などは、働く人の疲労の程度に影響を与えます。
疲労が進むと、病気にかかりやすくなったり、事故が起きやすくなったりするので、次の点に気を付けましょう。

  • 従業員の健康管理
  • 従業員の休息時間、休日、勤務時間、仕事量などへの配慮
  • 作業室内の安全と衛生の確保、危害防止基準の確立
  • 休息室などの充実

【安全衛生教育】

従業員を雇い入れた時や作業内容を変更したときは、従業員に対して安全衛生教育を行わなければなりません。
教育内容も、労働安全衛生法により定められています。

労働安全管理に関する詳しいことは、労働基準監督署で教えて頂けます。

 

衛生法規のカリキュラム

主に、食品衛生法、施設基準、管理運営基準、企画基準、公衆衛生法規など

衛生法規とは?

近年、科学の技術の進歩や国際化の発展等によって、「食」をとりまく環境は目まぐるしく変化しています。
このような中で遺伝子組み換え食品の登場や、国内におけるBSE感染牛の発生や、無登録農薬の使用問題、表示の偽装問題等、消費者が食品に対して抱く漠然とした不安や不信感を煽る出来事が相次ぎ、食品衛生行政を含めた食品安全行政の見直しが求められてきました。

そういった経緯を踏まえて、

平成15年5月に、「食品安全基本法」 の成立と 「食品衛生法」の改正 がなされました。

このふたつにより、食品衛生行政は大きく変化し、国民の健康保護を第一に目的として、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進する体制が整えられたようです。

 

おもにここでは、

  1. 食品衛生法
  2. 表示
  3. 食品添加物
  4. 食品中に残留する農薬等の規制
  5. 食品中の放射性物質

について学びます。

特に、2の「表示」については菓子製造販売を行っている私の実例を交えながら、
また3の「食品添加物」についても今後もっと詳しくお話をしていけたらと思っています。

 

食品衛生学のカリキュラム

主に、食品事故、食品の取り扱い、施設の衛生管理、自主管理などを、安心安全をテーマに講習があります。

食品衛生のポイントは

  1. 食中毒
  2. 自主管理(基本的な衛生管理)
  3. 自主管理(これからの衛生管理技術)

です。これらについてを教えてもらえ、安心安全なものを届けられる知識をしっかり学ぶことができます。

食品衛生学とは?

安全で衛生的な食品は私たちの健康にとって欠かすことの出来ないものです。
この健康に欠かすことの出来ない食品による食中毒などの事故はあってはならないことであり、これらの事故を防止するということはいうまでもなく、消費者が求める安全で衛生的な食品を常に提供するためには、食品と事故の関係や防止対策について十分な知識を身に付け、食品を取り扱うことが必要です。

食品による食中毒などの事故にはさまざまなものがありますが、その中でも、食品の微生物制御がきわめて重要で、
食中毒の予防のために、

  • 食品の取り扱い(食品保存のための知識、洗浄・消毒及び殺菌方法など)
  • 食品取扱者の衛生管理(爪は短く、指輪などのアクセサリーは外し、清潔な服装など)
  • 製品検品
  • 記録の作成・保存(食品・原材料の仕入元の名称等)
    ※平成15年5月30日改正により新たに努力義務が設けられたものです。
    (食品等の食中毒の原因と疑われる食品等を排除し、被害の拡大防止を迅速に行うことが目的のようでうす。)
  • 施設などの衛生管理(施設構造、施設、食品取扱設備、給水、廃棄物の処理、ネズミ・害虫対策、自動販売機の衛生管理等)

食品の多くは、生産、加工、製造、調理、貯蔵、運搬、包装、販売などさまざまな経路を経て消費者に届きます。
このような経路の中で一つでも不衛生な取扱いがあると食中毒などの事故につながります。

 

さらに詳しく食品衛生について知りたい方は、
私が受講した、食品衛生責任者養成講習会に参加してみてもいいと思います。

 

食品衛生責任者証の取得方法はこちらの記事です。